2008-02

都道府県人口の推移

人口の少子化と高齢化がともに進み、人口全体が減少していく少子・高齢社会は、都道府県や市町村といった地域の規模が小さいところほど、その姿が顕著に現われる。


各都道府県の人口の推移をみると、国勢調査結果によると、1995(平成7)年から2000(平成12)年にかけて23道県で人口が減少している。

国立社会保障・人口問題研究所「都道府県別将来推計人口」(2002(平成14)年3月推計)によると、人口が減少する都道府県は今後とも増加を続ける。

2005年から2010年にかけては36道府県、2015(平成27)年から2020年にかけては滋賀県、沖縄県を除く45都道府県、2025年から2030年では46都道府県で人口が減少し、この時点で人口が増加するのは滋賀県のみである。

2000年と2030年の人口を比較すると、30道府県で1割以上人口が減少する。
最も少なくなるのは秋田県で、山口県、長崎県を加えた3県で2割以上減少する。
2000年よりも人口が増加する都道府県は、東京都、神奈川県、滋賀県、沖縄県の4都県のみであり、他の43道府県ではいずれも2030年の人口が2000年の人口を下回る。

年少人口(0歳から14歳の人口)については、2000年と2030年を比較すると、すべての都道府県で減少する。総人口に占める年少人口割合も、全都道府県で低下する。

一方、老年人口(65歳以上人口)については、2020年まで全都道府県で増加する。
しかし、すでに高齢化が進んでいる地方の県では、老年人口の増加率は小さく、2020年以降減少に転じるところも現われる。
大都市圏では、高度経済成長期に地方から大量に移動してきた第1次ベビーブーム 世代が老年人口入りすることなどにより、地方の県よりも老年人口の伸びが大きく、老年人口そのものも巨大化する。
2030年の段階で、老年人口数が多いのは、東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県など、大都市圏に属する都府県である。
これらの都府県は、2000年の段階では地方の県に比べて高齢化率が低いが、今後の伸びは急速であり、老年人口数も多いことから、高齢者に関する施策が一層重要となってくる。

都道府県別増減率(2000年→2030年)>



(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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人口の減少と高齢化の進展

14歳以下の年少人口が総人口に占める割合は、2000(平成12)年の14.6%から減少を続け、2020年頃には12%に達する。

その後も減少を続け、2050年には10.8%になるものと見込まれている。


少子化の進展とともに、人口の高齢化も急速に進んでいる。

すでにわが国は、2003(平成15)年10月の高齢化率(65歳以上人口が全体の人口に占める割合)が19%と、これまで高齢化が進んでいたヨーロッパ諸国と比較しても、最も高い部類に入っているが、将来推計人口によれば、2020年代には高齢化率が28〜29%と、10人に3人が65歳以上の高齢者となる超高齢社会を迎えることになる。

これは、2015(平成27)年前後までに、第1次ベビーブーム 期の世代が高齢者人口の仲間入りをすることにより、高齢者人口の一層の増大と高齢化率の上昇が引き起こされるからである。


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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自然減が始まり、続いていく

出生 と死亡の差である自然増加数は2003(平成15)年では10万8,659人であり、前年の17万1,476人よりも6万2,817人減少した。

自然増加率(人口千対)は0.9で、前年の1.4を下回った。

自然増加数及び自然増加率とも、人口動態統計を取り始めた1899(明治32)年以来、最低となった。

第1次ベビーブーム 期以降、1978(昭和53)年までは平均して毎年100万人を超える自然増があったことと比較をすると、隔世の感がある。


将来推計人口によれば、出生 数は2010年代前半に100万人を割り込み、2020年代には80万人台になる。

一方、死亡数は、今後とも増加し、2010年代には130万人台から140万人台へ、2020年代には150万人台から160万人台になる。

2006(平成18)年から、死亡数が出生 数を上回る自然減が始まり、2020年代には、年間の自然減が70万人台にもなる。

これは、毎年、現在の鳥取県または島根県1県分の人口が減少していくことを意味している。

わが国社会は、まもなく出産 の知らせよりも葬儀の知らせの方がはるかに多い時代を迎えようとしている。

 

<わが国の出生 数・死亡数の動き>


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人口減少社会の到来

少子化の進展は、わが国の社会経済にどのような影響を及ぼすことになるだろうか。


少子化の進展の最も大きな影響として、まず、わが国が、総人口が減少していく「人口減少社会」を迎えることになることがあげられる。

わが国の総人口は、2006(平成18)年にピークを迎え、2007(平成19)年からは減少に転じる。

総人口が減少するのは、近代的な人口統計が整備された1872(明治5)年以来、第2次世界大戦中の一時期を除いて、わが国にとって初めてのことである。


同研究所の推計では、2007年以降、人口減少率は徐々に大きくなり、2050年までに約2,700万人減少し、2050年の総人口は1億59万人になると見込まれている。これは、日本が初めて1億人を超えた1967(昭和42)年の水準に戻るということを意味している。


総人口が減少していくのは、合計特殊出生率が低水準で推移して出生 数が減少する一方で、人口の高齢化を反映して死亡数が増加しているからである。


合計特殊出生 率が1.29と過去最低を記録した2003(平成15)年では、出生 数は112万人であったが、死亡数は、101万人であった。

死亡数は、前年よりも3万2,572人増加した。死亡数は、1950〜80年代は70万人前後で推移していたが、1990(平成2)年以降は80万人以上となり、1995(平成7)年に90万人を超え、2003年には100万人を超えた。


<わが国の人口構造の推移>


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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親と同居する未婚者と少子化との関係

親と同居する未婚者の姿をみると、未婚者が親と同居生活を送っているからといって、自分の収入や時間をすべて自分のためにあてるといった「生活エンジョイ型」の生活を送っているわけでないことがうかがえる。

家事 については親に依存する割合が高いとはいえ、それなりに貯蓄をし、世帯の家計に対しても繰り入れを行っている。

データから平均的な姿をみると、「独身貴族」といった一般のイメージよりも、むしろ堅実な生活を送っているものといえる。

親からみても、未婚親族が同居することは、家計にとってメリットとなる場合もあり、未婚者が経済的に一方的に恩恵を受けているともいえない。

親と同居する未婚者の全体を「パラサイトシングル」でひとくくりにすることはできないものと考えられる。


親と同居する未婚者の増大は、親への依存という要素以外に、きょうだいの数の減少、親の希望、都市部では家賃等が高いという住宅問題、職場と自宅との近接、身体が弱った親の介護問題など、様々な要因があるものと考えられる。

少子化傾向に対する影響やその度合いについては必ずしもはっきりしない。

ただ、家事について親に依存したり、同居により生活費等の経済的メリットを受けたりしている人も多いと考えられることから、独立した生活への意欲を弱めている面があることは否定できない。



(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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親と同居する未婚者の実態

総務省「国勢調査」によれば、2000(平成12)年の25〜39歳の未婚者数は、男性が約639万人、女性 が約431万人存在する。

このうち、親と子ども から成る世帯に所属する独身者数をみると、男性は約233万人(1990(平成2)年)から約323万人(2000年)へ、女性 は約142万人(1990年)から約251万人(2000年)へと増加しており、この10年間で、男性が約1.4倍、女性 が約1.8倍の増加となっている。

ただし、単独世帯に住む未婚者の増加と比較すると大きな違いはみられないことにも留意する必要がある。

 

<未婚者の家族構成の動き(25〜39歳)>



次に、親と同居する未婚者の生活実態を国立社会保障・人口問題研究所「世帯内単身者に関する実態調査」(2000(平成12)年)をもとにみてみよう。

それによると、全体の6割は20歳代であり、2割が30歳代となっている。
これら未婚者の学歴をみると、高等学校卒が43%、短大・専門学校卒が33%、大学卒以上が20%と、高学歴層に偏っているわけではない。
また、9割の者が仕事をもっており、そのうち7割以上がフルタイムで働いている。

経済状況をみると、収入の平均値は、男性は約300万円、女性 は約220万円である。
男性の場合には、過半数が200万円から500万円未満に集中している一方、女性 は100万円から300万円未満に半数が存在する。
9割以上が社会保険に加入している。
また、全体の7割の者が貯蓄をしている。

未婚者と同居する親の世帯との関係をみると、全体の3分の2が世帯の家計に繰り入れをしており、年齢が高くなるにしたがい、繰り入れをしている割合が高くなる。
30歳代では75%が繰り入れをし、40歳代では8割が繰り入れをしている。
繰入額は20歳代で20.7千円、30歳代で37.7千円、40歳代で64.5千円であり、全体の平均繰入額は、28.5千円である。

<年齢階級別繰入有無率と平均繰入額>
 繰入の有無(%)平均繰入額 (千円)
19歳以下
48.3
13.6
20〜29歳
66.8
20.7
30〜39歳
74.7
37.7
40〜49歳
79.6
64.5
50〜59歳
78.9
79.5
60歳以上
87.0
75.4
総数
68.6
28.5
資料: 国立社会保障・人口問題研究所「世帯内単身者調査」(2000(平成12)年)


家事 時間については、男女差がみられ、平日については、仕事 を持つ男性の7割以上が全くしないと答えているが、女性 の場合も、約4割弱となっている。
休日については、男女とも仕事 を持つ者でも、家事 時間は平日よりは増える傾向にあるが、全くしないとの回答が男性では約6割、女性 では約25%存在する。
このように明らかに男性のほうが家事 を行わない傾向が強いものの、女性家事 を行わない者が一定割合存在する。

<男女別仕事 の有無別家事 時間>

仕事 の有無
平日
休日
男性
男性
あり
なし
あり
なし
あり
なし
あり
なし
まったくしない
73.0
58.7
39.1
16.5
58.7
53.8
24.8
14.8
15分未満
9.7
9.0
16.0
7.4
9.4
7.2
12.0
6.1
15〜30分未満
6.1
6.3
17.2
7.4
8.1
4.9
14.0
7.8
30分〜1時間未満
4.1
5.8
15.7
17.0
6.3
5.4
20.3
17.8
1〜3時間未満
3.0
7.2
8.2
27.4
4.7
9.0
16.9
23.5
3〜5時間未満
0.1
1.3
1.3
8.7
1.3
0.9
3.2
9.6
5〜8時間未満
0.0
0.0
0.3
3.9
0.2
0.4
0.8
3.9
8時間以上
0.2
0.9
0.2
5.2
0.1
0.9
0.5
3.5
不詳
3.7
10.8
1.9
6.5
11.2
17.5
7.5
13.0
合計
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(度数)
(1,549)
(223)
(1,417)
(230)
(1,549)
(223)
(1,417)
(230)
資料:国立社会保障・人口問題研究所「世帯内単身者に関する実態調査」(2000(平成12)年)

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パラサイトシングルについて

成人の未婚者の中で20〜30歳代になっても親と同居を続けている人が多いことが、未婚化ひいては少子化を促進している要因として取り上げられることがある。


親との同居により、基礎的生活条件の一部を親に依存することにより、自らの所得を自分でできるだけ自由に使えることや、身の回りの雑事等に束縛されずに自由なライフスタイルが取れるなどの利点が考えられ、いわゆるパラサイトシングルと呼ばれる。


こうした利点を享受していると、親元を離れて自立しようとする意識が薄れ、結婚 、独立した生活という行動をとることが少なくなるのではないかと指摘されている。


若年者の意識をみても、「親元を離れて暮らす」ことは青少年の成長や自立のために必要かどうかという問いについて、現在、「必要だと思う」との回答割合が低下している傾向がある。

 

<親元を離れて暮らす機会は青少年の成長や自立のために必要と思うとの回答割合>


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低い賃金収入

就業形態 による違いは、賃金の差につながる。

60歳まで年齢区分ごとに、一般労働者とパートタイム 労働者における賃金比較を行うと、年齢が高くなるに従って、差が大きくなることがわかる。

パートタイム 労働者の賃金は20歳代以降の伸びが鈍く、とりわけ女性 では、賃金のピークに当たる年齢が20歳代後半となっており、一般労働者よりも早い。


フリーターの就業形態 のひとつとしてパートタイム 労働を想定し、若年者による比較として、20歳代及び30歳代におけるパートタイム 労働者と一般労働者との賃金比較を行うと、20歳代における一般労働者の場合では年収が男性で約3,700千円、女性 で約3,100千円であるのに対し、パートタイム 労働者では男性で約1,100千円、女性 で約1,150千円となる。

30歳代でみると、一般労働者では、男性で約5,300千円、女性 で約3,800千円に対し、パートタイム 労働者では男性で約1,550千円、女性 で約1,200千円と、ほぼ3倍程度と差が大きい。

 

就業形態 別賃金推移>


児童 のいる世帯における1人当たりの年所得をみると、約160万円程度となっていることから、親子 3人家族 で500万円程度の収入を標準とした場合、フリーターの年収では、結婚 して家庭 を持つことは相当に厳しいといえる。

 
児童 のいる世帯における世帯人員1人当たり平均所得金額の状況>



また、こうした所得や、不安定な就労条件 等が、男性の場合において、自身に関するマイナスの評価につながっているとの指摘がある。
日本労働研究機構(現在、独立行政法人労働政策研究・研修機構)が、フリーター及びフリーター以外の若者を対象に実施した調査「都内若者調査」によると、男性フリーターにおいて、将来への見通しや、経済的な自立等に関してのマイナスの評価が顕著である。
一方、女性 フリーターは、自己に対するマイナスの評価はほとんどみられず、明確な性差が認められる。
将来や収入への低い自己評価は、自立や結婚 に関する意識に対してネガティブに働くものと思われるが、年齢階級別に、一般労働とパートタイム 雇用における未婚率を比較すると、男性ではパートタイム雇用の場合、すべての年齢階級で一般労働に比べて未婚率が高くなっている。
このように、フリーターであることは、一般労働とパートタイム 雇用の間で大きな賃金格差が認められる現在では、男女ともに、結婚 に対してマイナスへ作用しているといえる。

内閣府「若年者の意識実態調査」(2003(平成15)年)によれば、フリーターの約7割は正社員 を希望している。
今後、政府による就職 支援策や人材育成策の推進とともに、企業側としても、若年者への雇用就業 の場の提供や、長期的な視点から人を大切にし、人材育成、キャリア 支援を図るべく従来以上の主体的な取組を行うことが求められている。

<生活 諸側面への評価(性・フリーター自己認識別)>



従業上の地位別未婚率>


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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増大する若者の一時就業

フリーターの増加は、若者の結婚 に対して、主に経済的な側面からのマイナス要因としてとらえることができる。


フリーターの経済状況をみるため、若者の就業 形態と賃金についてみてみる。

総務省「国勢調査」(2000(平成12)年)によると、未婚の就業者数は、男性で約776万人、女性 で約599万人となっている。

年齢階級別に従業形態の割合をみると、男女ともにどの年齢階級においても一般労働者が多く、概ね8割を超えているが、20〜24歳についてみると、男女ともにパートタイム雇用の割合が目立って多く、2割近くとなっている。

なお、この割合は男女ともに年齢が上がるにつれ低下している。


このように、一般労働者の割合が依然高いものの、大学卒であっても、一時的な仕事に就く者が急激に増加するなど、パート タイム雇用への就業 は、今後も一層進むものと思われる。

 

<未婚者の就業 形態比率>



<大学卒における就職者と一時的な仕事 に就いた者の割合>



(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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経済的に不安定な若者の増大

20〜30歳代前半の若者の中で、結婚 しない理由として「結婚 資金が足りない」(出生 動向基本調査)や「金銭的に余裕がない」(国民生活白書)をあげる人がいる。

特に、女性 よりも男性の方が、こうした理由を回答する割合が高い。


1990年代以降の経済の長期停滞の中で、企業のリストラや労働 費用の削減、パート 派遣 労働等の雇用形態 の多様化が進み、若者を取り巻く雇用 環境は厳しさを増している。


労働力 調査によれば、2003(平成15)年のわが国の失業率は5.3%であるが、15〜19歳では11.9%、20〜24歳では9.8%と、中高年層に比べても高い水準となっている。


特に、雇用形態 の多様化は、求人 に占めるパートタイム 雇用の割合を増加させ、これまでのところ、若者が安定した就業 を得る機会を狭めてきている。

 

<年齢別完全失業率>


パートタイム 新規求人 数推移>



こうした状況は、若者自身の職業意識の変化等の要因と相まって、パート アルバイト などの不安定就労を繰り返す、いわゆるフリーターの増加をもたらしてきている。
厚生労働省「労働経済白書」によれば、フリーター数は、2002(平成14)年には209万人、2003(平成15)年には、8万人増の217万人と推計されており、15〜34歳の労働力人口(2,201万人)のうち10人に1人はフリーターという計算となる。

なお、定義が異なるが、内閣府「平成15年版国民生活白書」では、417万人と推計されている。

なお、最近では、仕事 をせず、学生でもなく、職業訓練もしていないニート(Not in Education, Employment or Training)と呼ばれる若年者の増加が指摘されているが、厚生労働省「平成16年版労働経済白書」では非労働力人口のうち、特に無業者として、年齢15〜34歳、卒業者、未婚であって家事 ・通学をしていない者に限って集計したところ、52万人となっている。


<フリーター数の推移>


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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若者の失業率の上昇と親と同居する子ども

一定以上の収入がなければ、結婚 して安定した生活を送ることは難しい。

しかし、1990年代以降の経済の長期停滞の中で、10〜20歳代の若者の失業率が最も高い状況にあり、若者の将来不安を高めている。

若年失業者やフリーターの増大など、若者が社会的に自立することが難しい社会経済状況がある。

こうした若者の経済的不安定が、結婚子ども出生 に影響を与えていると指摘されている。


また、親と同居する未婚者(いわゆるパラサイトシングル)が数多く存在するが、親元に同居し基礎的生活コストを親に支援してもらいながら自らの生活を楽しむというライフスタイル が、未婚化を進展させているという指摘がなされている。


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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地域社会のネットワーク

子育て父母 その他の保護者が第一義的責任を持つものである。

また、子育て は次代の担い手を育成する営みであるという観点から、子育て家庭 が安心と喜びをもって子育て にあたれるよう社会全体で支援することが求められている。


今日、地域社会でも、子ども の数が減少したり、高齢化が進んでいたりしていることなどから、地域社会が果たす機能や助け合いのネットワークが弱体化しているとの指摘がある。

子育て をめぐる環境の大きな変化から、家庭 のみでは子育て を負い切れなくなった現状を踏まえ、地域社会において「新たな支え合いと連帯による子育て 支援」の体制の構築が求められている。


内閣府「少子化対策に関する特別世論調査」(2004(平成16)年)によれば、地域社会における住民同士の助け合いとして、次のような活動が期待されている。

子育て に関する悩みを気軽に相談できるような活動」(52.3%)、「子育て をする 同士で話ができる仲間づくりの活動」(41.3%)、次いで「不意の外出の時などに子ども を預かる活動」(31.8%)、「子育て に関連した情報を簡単に入手しあえるような活動」(31.8%)となっている。


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)


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シニア世代の役割

結婚 にあたって夫妻 のそれぞれの親との同居を敬遠する傾向があるが、国立社会保障・人口問題研究所「第12回出生 動向基本調査」(2002(平成14)年)によれば、夫婦 と両親の同居の有無別に平均出生子ども 数を比較した場合、 もしくは夫の両親(1人の親の場合も含む)と同居の場合では、平均子ども 数が2.37人であるのに対して、両親と別居している場合には2.16人と、両親同居の場合のほうが高い数字となっている。

夫婦出生 力に対して、親との同居はプラスの影響を及ぼしている。

さらに、同調査では、同居、別居にかかわらず、出産 後の就業 継続についても、夫妻母親 からの育児 援助が大きな役割を果たしていることを指摘している。

出生 力の回復や子育て において、祖父母 の役割、いわゆるシニア世代の役割が重要となっている。



(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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家庭や地域の子育て力の低下

父親に対して、子育て の優先度を、仕事 等との比較で聞いてみると、希望としては「仕事 等と家事育児 を同等に重視」が51.6%と最も高い割合である一方、現実では「どちらかと言えば仕事 等が優先」が52.7%となり、仕事 重視の傾向が強いことがうかがわれる。


こうした家庭 よりも職場 優先・経済優先の風潮などから、子ども に対し時間的・精神的に十分向き合うことができていない 、無関心や放任といった極端な養育態度の などの問題が指摘されている。

子どもの親がその役割を十分担うことができるように、職場をはじめ社会が応援する風土や意識が求められている。

家庭 において夫婦子育て の喜びを共有することで、 から子育て の喜びや楽しさが伝えられることにもつながる。


労働時間の見直しは、子ども と一緒に過ごす時間、言い換えれば も夫も子育て にあてる時間をより多く取れるようにすることであり、仕事育児 のバランスを得ることによって、家庭子育て 力を回復させることにもつながるものである。

 

子育て の優先度(父親)>

(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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育児に対する孤立感や疲労感、自信の喪失

家庭 は、子ども家族 との愛情によるきずなを形成し、人に対する基本的な信頼感や倫理観、自立心などを身に付けていく大事な場である。


ところが、3世代同居世帯が多く、子ども 自身もきょうだい数も多く、地域社会でも子どもたちの数が多かった時代と比較をすると、家族 規模が縮小し、親と子 の核家族世帯が中心で、しかも大都市部のように隣近所に誰が住んでいるのかよくわからないような現代社会では、家庭子育て 力や地域社会の子育て 力は、以前よりも低下しているものと考えられる。

乳幼児 を抱えた若い夫婦 が、周囲から適切な支援を受けられない場合には、特に母親 が育児に対して孤立感や疲労感をいだき、場合によっては育児 ノイローゼや児童虐待等の望ましくない結果を引き起こすこともあるだろう。


財団法人こども 未来財団の世論調査によると、いわゆる専業主婦の方が共働き 世帯の妻よりも、子育て に対する負担感を感じている人が多い。

厚生労働省「21世紀出生 児縦断調査」(第2回:2002(平成14)年度、対象児年齢1歳6か月)では、「子ども を育てていて負担に思うこと」を尋ねた結果、「自分の自由な時間が持てない」(63.7%)、「子育て による身体の疲れが多い」(39.3%)、「目が離せないので気が休まらない」(34.1%)の順となっている。

これを、 の就業別にみると、職に就いている場合よりも「無職」(専業主婦)の方が割合が高くなっている。

こうした結果の背景には、夫や他の家族、あるいは外部からの支援が得られないまま、24時間乳幼児と向きあって、心身両面で育児に追われる妻の姿がうかがえる。


日本では、父親が育児 にかける時間が他の先進国と比較して突出して少ないことが指摘されており、妻の就労の有無にかかわらず、父親が親としての役割を積極的に果たすことが、子育て 家庭の育児 ストレスや不安の解消のみならず、子ども の健全な育ちのためにも重要になっている。


子育て の負担感の状況>



子育て の負担感の状況>


また、厚生労働省「全国家庭 児童調査」(1999(平成11)年)において、家庭 養育上の問題について尋ねると、「問題がある」と回答した親のうち、「親類や近所づきあいが乏しい」(1989(平成元)年と1999年を比較すると、8.2%から13.0%へ)、「子育て と社会参加の両立 が難しい」(同じく11.3%から15.3%へ)、「しつけや子育て に自信がない」(同じく12.4%から17.6%へ)などが増加しているように、子育て に関する地域内のコミュニケーションが進んでいない傾向がみられ、あるいは、しつけや子育て に自信が持てない親が増加している。


こうした状況から、子育て に関する孤立感が深まり、子育て そのものが親にとって過度の負担となるとき、育児 ノイローゼなどにつながるものと考えられる。



<父母の状況別にみた家庭 養育上の問題>

父母の状況総数問題がある 問題はない
しつけや子育てに自信がない親(保護者)と子の接触時間が不足している養育費に困っている親類や近所づきあいが乏しい子育てと社会参加の両立が難しい家族の協力が得られない住宅が狭い等居住環境に悩んでいるその他
1989年(平成元)
100.0
46.7
12.4
16.9
5.1
8.2
11.3
2.3
14.2
2.5
53.3
1994(平成6)
100.0
55.3
14.7
17.5
8.4
12.0
14.7
3.6
18.8
3.8
44.7
1999(平成11)
100.0
58.5
17.6
19.9
12.1
13.0
15.3
4.1
17.8
3.5
41.5

資料:厚生労働省「全国家庭児童調査」(1999(平成11)年)
注:家庭養育上の問題は複数回答である。


児童 虐待という深刻な事態も増加しており、児童 虐待に関する相談処理件数は、1993(平成5)年度で1,611件であったものが2003(平成15)年度では26,569件に増加している。

虐待に関する相談処理件数の推移>


(平成16年版少子化社会白書より抜粋)

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家事・育児にかける時間

子ども のいる世帯の夫と家事育児 にかける時間についてみてみよう。

6歳未満の子どものいる世帯における家事育児 等の家事関連時間について夫婦 で比較すると、平日の夫の家事関連時間は21分と、有業女性 の5時間に比べて15分の1程度、土・日曜日でも5分の1程度にすぎない。

また、6歳未満の子ども のいない世帯の夫でも、平日で8分となっており、男性の家事関連時間はきわめて短いことがわかる。



<夫と の家事関連時間(子ども のいる世帯)>

 
合計
介護・看護
(参考)仕事
6歳未満の子ども がいる世帯
平日
夫(有業)
0:21
0:04
0:01
0:16
9:17
妻(無業)
8:30
4:30
0:04
3:56
0:01
妻(有業)
5:00
3:04
0:04
1:52
4:32
土曜日
夫(有業)
0:55
0:12
0:01
0:42
5:09
妻(無業)
7:08
3:55
0:03
3:10
0:01
妻(有業)
5:26
3:25
0:03
1:58
2:04
日曜日
夫(有業)
1:06
0:15
0:01
0:50
2:25
妻(無業)
6:03
3:23
0:02
2:38
0:01
妻(有業)
4:58
3:09
0:03
1:46
0:57
6歳未満の子ども がいない世帯
平日
夫(有業)
0:08
0:06
0:01
0:01
8:23
妻(無業)
5:50
5:28
0:10
0:12
0:04
妻(有業)
3:37
3:27
0:04
0:06
5:19

資料:総務省統計局「社会生活基本調査」(2001(平成13)年)



このように、5割近くの女性 が40時間以上働いている一方で、家事関連時間が男性に比して極端に長くなっていることから、「男は仕事、女は家庭 」という旧来的な役割分担に加えて、「男は仕事 、女は仕事家庭 も」という役割分担が存在している様子をうかがうことができる。

また、両親の帰宅時間をみても、女性母親 )の場合には、9割近くの人が8時前に帰っているが、男性(父親)の場合、8時前に帰る人は半数にすぎない。
母子家庭 等では、帰宅時間が遅い上に、仕事家庭 の負担が1人の大人に集中することになる。

仕事 にかける時間とのバランスをとりつつ育児 にかける親の時間を増やすこと、とくに、男性(父親)の育児 時間を増やすことが、女性母親 )の負担軽減、ひいては出生 率の回復や健全な子育て に資するものと考えられる。

企業等の雇用者側においても、従業員の育児休業 取得の促進と子育て 期間中の勤務時間 の短縮等の措置に取り組む必要がある。

<両親の帰宅時間>

<親の帰宅時間(ひとり親世帯)>



(平成16年版 少子化 社会白書より抜粋)

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ワークライフバランス

理想の子ども 数を持たない理由として、夫の家事育児 への協力が得られないから、と回答する妻も1割以上存在する。

育児 の心理的・肉体的負担の軽減にあたっては、夫婦 がお互いに育児 の負担を分かち合えるよう協力しあうことが重要である。そのためには、仕事家庭 に時間をどう配分するか(ワークライフバランス )が親にとって、大きな問題となってくる。


週当たり労働時間をみると、男性は49.6時間、女性 は35.3時間となっている。

子育て 期・子ども が就学期にあると考えられる25〜49歳について、年齢階級・労働時間階級別にその分布をみると、4割強の男性で週当たり労働時間が49時間以上であり、特に2割程度が週60時間以上の労働時間となっている。

とくに子育て 期にある30歳代では約4分の1が週60時間以上も就業している。こうした過重な労働時間が、育児 に時間を配分することを阻害していることは想像に難くない。


女性 では、年齢が上がるにつれて、週30時間未満の短時間就労 の者の割合が上昇し、35歳以上で3割以上に達しているが、その一方で、週40時間以上の労働時間について、30歳代以降は20歳代に比べて割合は低くなっているものの、60歳未満までみると、総じて5割近くとなっている。

(平成16年版 少子化 社会白書より抜粋)


 

就業時間 別従業者割合>


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教育費用負担

子育て 費用の中では、教育 費の占める割合が高い。

野村證券「第8回家計と子育て 調査」(2003(平成15)年)によると、教育 費は、子育て 費用(教育 費、医療費、食費、被服費の他、こづかい、子ども のための保険など子ども のための支出全般)の38%を占めている。

母親 の年代別にみると、年齢層が上がるほど、教育 費の割合が高くなる傾向があり、40代以上では、平均46%となり、子育て 費用の半分は教育 費となっている。


具体的な教育 費用負担を文部科学省の統計からみると、1年間の教育 費(学校教育 費、学校給食費、塾や習い事などの学外活動費の合計)は、幼稚園 では、公立で約23万円、私立では約52万円、小学校では公立で約29万円、中学では、公立で約44万円、私立で約123万円、高校では、公立で約53万円、私立で約103万円となっている。


仮に物価水準の変化などを無視して計算すると、幼稚園 から高等学校まですべて公立に通った場合では14年間で約511万円、幼稚園と高等学校で私立に通った場合は約720万円、小学校以外すべて私立に通った場合は約959万円かかる。


これに加えて大学(昼間部)に進学した場合には、大学生の学生生活費(学費と生活費の合計)が、国立で約159万円、私立で約215万円、全平均で年間約202万円かかることになる。大学4年間では、平均で約807万円かかる。


以上を合計すると、幼稚園から高等学校まで公立で、大学のみ国立に通った場合には、約1,147万円かかる。仮に、小学校だけ公立で、あとはすべて私立とすると、約1,817万円かかることになる。

 
子ども の教育費(幼児児童 ・生徒1人当たり年額)>



幼稚園 4歳から高等学校(14年間)と大学までの教育費 等の総額>


厚生労働省「国民生活基礎調査」(2003(平成15)年)によると、18歳未満の児童 のいる世帯に生活意識を尋ねたところ、「大変苦しい」が26%、「やや苦しい」が36%、「普通」が34%となっており、6割の世帯が生活が苦しいと認識している。
これは、全世帯平均(「大変苦しい」が22%、「やや苦しい」が32%、「普通」が42%)や高齢者世帯(「大変苦しい」が20%、「やや苦しい」が28%、「普通」が48%)よりも、生活が苦しいと認識している世帯の割合が高い。
その理由として、子育てや子どもの教育にかかる負担が反映しているものと考えられる。


(平成16年版 少子化 社会白書より抜粋)



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子育て費用負担

子育て にかかる費用はどのくらいになるのだろうか。


厚生労働省「21世紀出生 児縦断調査」によると、子ども が6か月児のときの調査(第1回調査:2001(平成13)年度)では、月額で平均4.1万円かかっている。

ただし、多いのは1万円(全体の32.0%)及び2万円(全体の28.2%)で、これらで全体の6割を占める。

また、子ども1人のみの場合には平均5万円で、2人(平均3.2万円)、3人(平均3.4万円)の場合よりも高い。


1歳6か月児になったときの同調査(第2回調査:2002(平成14)年度)でも、平均は月額2.8万円である。

最も多いのが1万円(全体の39.5%)、次いで2万円(全体の20.8%)となっている。

世帯の年収が上がると高くなり、たとえば800万円以上の年収の世帯では、月額5.5万円以上が22.1%の高率となっている。


保育所 を利用するようになると、保育料 負担が必要となる。

保育料 徴収規準額表(2003(平成15)年度)によると、世帯の所得段階により、3歳未満児の場合には月額0円から8万円まで、3歳以上児の場合には月額0円から77,000円まで設定されている。

厚生労働省「地域児童福祉事業等調査」(2000(平成12)年)によれば、児童 1人の世帯における保育料 は、月額1万円未満が21.8%、1〜2万円が22.1%、2〜3万円が32.4%、3〜4万円が14.4%、4万円以上が9.4%となっている。

また、認可外保育 施設を利用した場合には、保育所 よりも保育料 負担が重く、全体の約6割は月額3万円以上となっている。


(平成16年版 少子化 社会白書より抜粋)



父母 の1年前の総収入額別にみた1か月の子育て 費用>


<毎月の利用料別にみた世帯構成(利用保育 施設の種類別)>

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