少子化の流れを変えていく
少子化が与える経済社会への大きな影響を考慮すると、人口減少社会に対応して活力ある豊かな社会を維持、形成していくためには、少子化の流れを変えていくことが重要である。
少子化や人口減少が急激になればなるほど、それに対応した雇用 、教育 、産業、社会保障 、地方行政等の経済社会システムを構築することの困難性が増大する。
合計特殊出生率 が1.60前後で安定する高位推計の場合と、1.10前後で安定する低位推計を比較すると、2050年時点で、年間の出生 数は前者の90万人に対し、後者は44万人と大きく異なった数値となる。
総人口や生産年齢人口の急激な低下を招かないためにも、出生率 の低下を反転させていくような取組が必要である。
財政構造の健全化の必要性
将来の負担増としては、社会保障負担ばかりでなく、わが国の財政全体の負担が巨額な水準に達していることについても注意を払う必要がある。
財務省によれば、2004(平成16)年6月末時点での「国の借金」に相当する国債、借入金及び政府短期証券の合計残高は、729兆2,281億円と、過去最大に達している。国民1人当たりに換算すると、570万円を上回る額になる。
このほか、「地方自治体の借金」に相当する地方債残高等の総額も、平成16年度末には204兆円にのぼる見込みとなっており、「国の借金」とあわせると900兆円を超える金額となっている。
今後とも、「国や地方自治体の借金」が増大するようであれば、人口減少社会においては、ますます国民1人当たりの負担が増大していくことになる。
将来世代に対する負担を緩和する観点からも、財政構造の健全化が急務の課題である。
(平成16年版少子化社会白書より抜粋)




