人口問題審議会報告
「1.57ショック」を契機に少子化対策が講じられるようになったものの、合計特殊出生率 は、1990年代半ばになっても、1.57以上に回復するどころか漸減していった。
国立社会保障・人口問題研究所の「平成9年将来推計人口」(1997(平成9)年1月)では、将来の合計特殊出生率 は5年前の予測から下方修正されて、1.61となった。
このように少子化が進行し、人口減少社会の到来が現実のものとなる中で、厚生省の人口問題審議会は、1997年10月、「少子化に関する基本的考え方について――人口減少社会、未来への責任と選択――」という報告書を取りまとめた。
この報告書は、政府の審議会としては初めて少子化という問題を正面から取り上げ、少子化の影響、原因とその背景について総合的な分析を行うとともに、少子化への対応の必要性を明示した。
この報告書では、少子化の主な原因は、未婚率の上昇(晩婚化の進行と生涯未婚率の上昇)と夫婦 の平均出生児 数と平均理想子ども 数との開きであるとし、その背景には、
ア)個人の結婚観、価値観の変化、
イ)親から自立して結婚 生活を営むことへのためらい、
エ)結婚 ・子育て の選択により継続就業を断念した場合の失う利益の増加、
等をあげている。
保育サービスの量的拡大と多様化
エンゼルプランの策定とあわせ、エンゼルプランの施策の具体化の一環として、保育 ニーズの多様化に対応し、緊急に保育 対策を促進するため、大蔵、厚生、自治3大臣の合意により「緊急保育 対策等5か年事業」が策定された。
これは、1995(平成7)年度から1999(平成11)年度までの5年間の計画であり、1999年度末の整備目標を定めて計画的に推進していくこととし、1999年度末までの5年間に、累計で約6,000億円の事業費が追加的に投入されることとなった。
具体的な内容は、多様な保育 サービスの充実として、低年齢児(0〜2歳児)保育 や延長保育 、一時保育 、放課後児童クラブ 等の量的拡大、保育所 の多機能化のための整備として、多機能化保育所 の施設・設備の整備、子育て 支援のための基盤整備として、地域子育て 支援センターの整備が掲げられた。
保育サービスの量的拡大と多様化
エンゼルプランの策定とあわせ、エンゼルプランの施策の具体化の一環として、保育 ニーズの多様化に対応し、緊急に保育 対策を促進するため、大蔵、厚生、自治3大臣の合意により「緊急保育 対策等5か年事業」が策定された。
これは、1995(平成7)年度から1999(平成11)年度までの5年間の計画であり、1999年度末の整備目標を定めて計画的に推進していくこととし、1999年度末までの5年間に、累計で約6,000億円の事業費が追加的に投入されることとなった。
具体的な内容は、多様な保育 サービスの充実として、低年齢児(0〜2歳児)保育 や延長保育 、一時保育 、放課後児童クラブ 等の量的拡大、保育所 の多機能化のための整備として、多機能化保育所 の施設・設備の整備、子育て 支援のための基盤整備として、地域子育て 支援センターの整備が掲げられた。
エンゼルプランの概要
エンゼルプランでは、次の3点を基本的視点として掲げた。
〔1〕 子ども を持ちたい人が、安心して子ども を生み育てることができるような環境を整備
〔2〕 家庭 における子育て が基本であるが、家庭 における子育て を支えるため、あらゆる社会の構成メンバーが協力していくシステム(子育て 支援社会)を構築
〔3〕 子育て支援 施策は、子ども の利益が最大限尊重されるよう配慮
この基本的視点に立って、
ア)子育てと仕事の両立 支援の推進、
ウ)子育て のための住宅及び生活環境の整備、
エ)ゆとりある教育の実現と健全育成の推進、
オ)子育て コストの軽減、
という子育て支援 のための5つの基本的方向の下に、
〔2〕多様な保育サービス の充実、
〔3〕安心して子ども を生み育てることができる母子保健医療 体制の充実、
〔4〕住居及び生活環境の整備、
〔5〕ゆとりある学校教育 の推進と学校外活動・家庭教育 の充実、
〔6〕子育て に伴う経済的負担の軽減、
〔7〕子育て 支援のための基盤整備
という7つの重点施策が列挙された。
エンゼルプラン策定後、次に述べる保育サービス の充実をはじめ、育児休業給付 の実施(1995(平成7)年)、週40時間労働制の実施(1997(平成9)年)、児童福祉 法改正による保育所 入所方法の見直し(1998(平成10)年)等、エンゼルプランに掲げられた施策が実現された。
エンゼルプランの策定
「1.57ショック」により出生率 の低下傾向が顕在化したときに、政府では早速、「健やかに子ども を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議」の設置(1990(平成2)年8月)や、「ウェルカムベビーキャンペーン」(1992(平成4)年4月)などが行われた。
「少子社会」という言葉を一般化させる契機となった「平成4年度国民生活白書」もこの頃(1992年11月)刊行された。
ただし、国立社会保障・人口問題研究所による「平成4年将来推計人口」(1992年9月)では、将来の合計特殊出生率 (中位推計)を1.80としているように、概して出生率 の低下は一時的な傾向としてとらえられていた。
政府の取組も少子社会に対する現状認識や、子育て に関する啓発活動が中心であった。
少子化社会対策の本格的な取組の第一歩が、1994(平成6)年12月、文部、厚生、労働、建設の4大臣合意により策定された「今後の子育て 支援のための施策の基本的方向について」(エンゼルプラン)であった。
エンゼルプランは、
〔1〕子育て を夫婦 や家庭 だけの問題ととらえるのではなく、国や地方公共団体をはじめ、企業・職場や地域社会も含めた社会全体で子育て を支援していくこと、
〔2〕政府部内において、今後概ね10年間に取り組むべき基本的方向と重点施策を定め、その総合的・計画的な推進を図ること、
をねらいとした。




