2008-03

次世代育成支援対策推進法

「次世代育成支援に関する当面の取組方針」に基づき、2003(平成15)年及び2004(平成16)年に、次のような立法措置が講じられた。

(1)次世代育成支援対策推進法等(2003年)
政府は、2003年の通常国会に、次世代育成支援対策推進法案を提出した。

この法案は、前述した取組方針の基本的考え方を次世代育成支援対策の基本理念と規定し、次世代育成支援対策のための行動計画について定めている。


〔1〕国については、主務大臣は地方公共団体及び事業主が行動計画を策定するに当たって拠るべき指針を策定すること、

〔2〕地方公共団体については、市町村及び都道府県は、国の行動計画策定指針に即して、地域における子育て 支援、親子 の健康の確保、教育 環境の整備、子育て家庭 に適した居住環境の確保、仕事と家庭の両立 等について、目標及び目標達成のために講ずる措置の内容等を記載した行動計画を策定すること、

〔3〕事業主については、国の行動計画策定指針に即し、労働者の仕事と家庭の両立 を図るために必要な雇用環境の整備等に関し、目標及び目標達成のための対策等を定めた一般事業主行動計画を策定すること(301人以上の労働者を雇用する事業主は義務づけ、300人以下は努力義務)、また、事業主からの申請に基づき、行動計画に定めた目標を達成したこと等の基準に適合する事業主を認定すること、

などの規定をおいている。


同法は、2003年7月に成立し、一部の規定を除き、公布の日から施行されている。

なお、地方公共団体及び事業主の行動計画策定に関する規定については、2005(平成17)年4月から施行される。

また、同法は2015(平成27)年3月までの時限立法である。



あわせて、政府が同年通常国会に提出した「児童福祉法の一部を改正する法律案」は、地域における子育て 支援の強化を図るため、地域における子育て 支援事業を児童福祉法に位置付けることで、すべての家庭 に対する子育て 支援を市町村の責務として明確に位置付け、積極的に行う仕組みを整備するためのものである。

同法案も、2003(平成15)年に成立し、一部の規定を除き2005年4月から施行される。



(2)次世代育成支援対策関連3法(2004年)
次世代育成支援対策を総合的に推進するために、2004年の通常国会には、政府は次の関連する3つの法案を提出した。


〔1〕児童 手当法の一部を改正する法律案
  児童 手当の支給対象年齢を小学校第3学年修了まで引き上げるもの
〔2〕児童 福祉法の一部を改正する法律案
  児童 虐待防止対策等の充実、新たな小児慢性特定疾患対策の確立を図るもの
〔3〕育児休業介護休業育児 又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律案
  育児休業 期間の延長、子の看護休暇制度の創設等を行うもの


これら関連法案のうち〔1〕の児童手当法の一部改正法は成立し、2004年4月から実施されている。

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次世代育成支援に関する当面の取組方針

「少子化対策プラスワン」を踏まえて、2003(平成15)年3月に、少子化対策推進関係閣僚会議において「次世代育成支援に関する当面の取組方針」が決定された。


同取組方針では、急速な少子化の進行は、今後のわが国の社会経済全体に極めて深刻な影響を与えるものであるとし、少子化の流れを変えるために、改めて政府、地方公共団体、企業等が一体となって、従来の取組に加え、もう一段の対策を進める必要があると明示した。

基本的な考え方として、家庭 や地域の子育て 力の低下に対応して、次世代を担う子ども を育成する家庭を社会全体で支援(次世代育成支援)することにより、子ども が心身ともに健やかに育つための環境を整備することを掲げた。


具体的な施策としては、

〔1〕働きながら子ども を育てている人のために、経営者や職場の一層の意識改革を進め、子ども が生まれたときの父親の休暇の取得等の男性の働き方 を見直すことや、育児休業取得率の目標値(男性10%、女性80%)に向けた取組の推進、保育サービスの充実など、

〔2〕子育てをしているすべての家庭のために、地域における様々な子育て支援サービスの推進や、小児医療の充実、家庭教育への支援の充実、生活環境の整備、社会保障における次世代支援など、

〔3〕次代を育む親となるために、中高生が乳幼児とふれあう機会を拡充することや、家庭 を築き、子ども を生み育てることの意義に関する教育・啓発の推進

などが盛り込まれた。


また、2003年及び2004(平成16)年の2年間を次世代育成支援対策の基盤整備期間と位置付け、2003年においては地方公共団体及び企業における10年間の集中的・計画的な取組を促進するための「次世代育成支援対策推進法案」を提出するものとするなど、一連の立法措置を講じることとされた。

 

<次世代育成支援に関する当面の取組方針>


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少子化対策プラスワン

2000年を迎え、「ミレニアムベビー」効果で、2000年の出生数 及び合計特殊出生率 とも前年の1999(平成11)年を若干上回った。

しかし、2001(平成13)年には再び漸減し、2002(平成14)年1月に公表された将来人口推計では、将来の合計特殊出生率 の見通しが、前回(1997(平成9)年)推計の1.61から1.39へとさらに下方修正された。

また、少子化の主たる原因として、晩婚化に加え、結婚 した夫婦出生力 の低下という新たな傾向が指摘され、少子化がより一層進展するとの見通しが示された。


このような状況を踏まえ、厚生労働省では、これまでの少子化対策のどこが不十分で、さらに対応すべき点は何なのかを改めて点検し、幅広い分野について検討を行った結果、2002(平成14)年9月、少子化対策の一層の充実に関する提案として「少子化対策プラスワン」を取りまとめた。


「少子化対策プラスワン」では、従来の取組が、子育てと仕事の両立 支援の観点から、保育 に関する施策を中心としたものであったのに対し、子育て をする家庭の視点からみた場合には、より全体として均衡のとれた取組を着実に進めていくことが必要であるという基本的考え方に立っている。

そして、「子育てと仕事の両立 支援」に加えて、「男性を含めた働き方 の見直し」、「地域における子育て 支援」、「社会保障における次世代支援」、「子ども の社会性の向上や自立の促進」、という4つの柱に沿って、社会全体が一体となって総合的な取組を進めることとされた。


また、対策の推進方策として、

〔1〕国については、政府が一体となって総合的に取組を実施する、また、少子化対策をもう一段推進し、対策の基本的な枠組みや、特に「働き方 の見直し」や「地域における子育て 支援」を中心とする直ちに着手すべき課題について、立法措置を視野に入れて検討を行い、同年末までに結論を得ること、

〔2〕地方については、地方自治体ごとに、行動計画の策定など、少子化対策の推進体制を整備すること、

〔3〕企業については、推進委員会の設置や行動計画の策定などの対応が必要であり、内閣総理大臣や厚生労働大臣等から経済団体代表に対して要請を行うこと、

が盛り込まれた。

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