結婚・離婚はどの季節が多いのか
英語のジューンブライド(June bride、6月の花嫁)は、ローマ神話で家庭の守護神ジュノーの月が6月であることに由来して、「6月に結婚すると幸せになる」という意味で使われている。
わが国では、6月に結婚 するカップルは多いのだろうか。
厚生労働省の人口動態統計に基づき、月別婚姻件数の平均値(2002年から3年間の平均値)をみると、梅雨入りしている地域が多いわが国では、6月の結婚はそれほど多くなく(少ない方から5番目)、気候のいい春や秋の方が多い。
具体的には、3月が最も多く、次に11月、12月となっており、逆に、最も少ない月は、1月で、次いで8月、9月となっている。
正月という特殊な1月を除けば、夏の暑い時期は敬遠されているようである。
婚姻件数は、夏の暑い時期や冬の寒い時期を避けて、過ごしやすい春や秋に結婚式を行う人が多いことの影響と考えられる。
一方、離婚件数については、3月が最も多くなっているものの、どの月も同程度の件数で月別の差はほとんどない。
3月が多いのは、子ども がいた場合、学年途中で親が離婚し、姓が変わるということを避けるため、年度末を選ぶという親の配慮も影響しているのではないかと推測できる。
しかし、離婚を決めるにあたっては、時期を考えるというよりも、決断したらできる限り早く別れたいという心理的な要因も関係するので、月別の変動が婚姻ほど顕著に現れないものと考えられる。
一般に3月は、会計の年度末や学校の卒業と「別れの季節」であるが、この月に離婚も結婚 も多いということは、日本の四季や日本人の行動パターンが影響を与えているようであり、興味深い。
都道府県別にみた合計特殊出生率の状況
2004(平成16)年の合計特殊出生率は1.29(小数点以下第4位まで見ると、1.2886)であるが、これを上回る都道府県は35、下回る都道府県は12であった。
このなかで合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.72)であり、以下、宮崎県(1.52)、福島県(1.51)、鳥取県(1.50)、佐賀県(1.49)、島根県(1.48)の順となっている。
最も低いところは、2003(平成15)年にはじめて1を割ったものの、2004(平成16)年にはわずかに上昇した東京都(1.01)であり、以下、京都府(1.14)、奈良県(1.16)、北海道(1.19)の順となっている。
なお、ほぼ30年前の1975(昭和50)年について見ると、合計特殊出生率は1.91であり、最も高いのは、沖縄県(2.88)、以下、岩手県(2.14)、福島県、滋賀県及び長崎県(2.13)の順となっている。
最も低いところは東京都(1.63)であり、以下、京都府(1.81)、北海道(1.82)、福岡県(1.83)、奈良県(1.85)の順となっている。
この30年近くの間の変化を見ると、すべての都道府県で合計特殊出生率の水準は低下しており、少子化の進行は、地域差を持ちながら全国的に同じように進行している現象であるといえる。
特に、1975年と2004年の合計特殊出生率の年次差をみると、全国平均では、0.62の落ち込みとなっているが、最も大きな落ち込みとなっている沖縄県では、1.16となっている。
また、2004年と2003年を比較すると、東京都、千葉県、富山県、愛知県、香川県、長崎県、宮崎県の7都県で、2003年に比べ上昇している。
2003年時の対前年(2002(平成14)年)では、石川県、鳥取県、愛媛県の3県のみが上昇していたことを考えると、2004年では、東京都、千葉県、愛知県という大都市圏での出生率の上昇と、上昇した県数が増えたことは、今後の動向を考える上で注目される。
大都市部での出生率が、わずかであっても上昇したことについては、もともと大都市部では晩婚化・未婚化が他の地域に比べて進んでいたが、これから第2次ベビーブーマー世代(団塊ジュニア世代)の中の未婚者が結婚 し、出産 をする人が増えてくるのではないかという可能性を示唆している。
人口減少が早まる可能性
2005(平成17)年8月公表の「人口動態統計速報」では、2005年1月から6月の出生数及び死亡数の速報値では、半年間で人口が31,034人の減少となっている。
速報値ベースであるが、半年間の人口動態において、出生数よりも死亡数が上回ったことは初めてのことである。
なお、10月公表の2005年1月から8月の出生数及び死亡数の速報値では、7,115人の減少となっており、今後の出生数及び死亡数の動向次第では、年単位で初めて人口の自然減(出生数よりも死亡数が多いこと)が起こる可能性もある。
わが国社会は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成14年1月推計・中位推計)によると、2007(平成19)年から総人口が減少すると言われているが、前述の2つの人口統計によれば、2007年を待たずに2006(平成18)年にも減少する可能性が考えられ、わが国の総人口が減少するという「人口減少社会」が予想を上回る速さで迫ってきている。
男性人口の減少
わが国の2004(平成16)年の総人口(総務省統計局2004年10月1日現在推計人口)は、1億2,768万7千人で、この1年間に6万7千人の増加、対前年比0.05%増と、増加数、伸び率ともに戦後最低となった。
男女別にみると、男性は6,229万5千人、女性 は6,539万2千人で、女性 は対前年比で0.12%増加したものの、男性は対前年比マイナス0.01%と戦後初めて減少に転じた。
特に、男性の人口増減の中身をみると、自然増減(出生数と死亡数の比較による増減)が2万1千人の増で、社会増減(国内と国外の住所移動による増減)が3万1千人の減であった。男性人口の減少については、海外勤務等により国外に住所移動をした社会減が影響しているものと考えられるが、男性の人口が戦後初めて減少したという事実の衝撃は大きい。
また、2005(平成17)年3月31日現在の住民基本台帳による人口調査(総務省)をみても、総人口は1億2,686万9,397人で、前年(2004年)より4万5,231人(0.04%)増加した。
増加数、増加率はともに最低だった前年を下回り、総人口の増加は鈍化している。
特に、男性の人口は、6,207万6,658人で、前年同期に比べて1万680人(0.02%)減り、1968年の調査開始以来、初めて減少に転じた。
年少人口の減少
出生数の減少は、わが国における15歳未満の年少人口(以下、「子ども の数」という。)の減少をもたらしている。
第2次世界大戦後の子ども の数及び総人口に占める割合の変化をみると、1950(昭和25)年には約3,000万人(総人口比35.4%)と、総人口の3分の1を超えていたが、第1次ベビーブーム期以降の出生数の減少から、1960年代後半まで低下を続け、総人口の約4分の1となった。
その後、第2次ベビーブーム期の出生児数の増加により若干増加したが、80年代後半から再び減少傾向となり、1997(平成9)年には、65歳以上人口よりも少なくなった。
子ども の数が高齢者人口よりも少なくなるというのは、日本の人口の歴史の中で初めてのことである。
2004(平成16)年10月1日現在では、子どもの数は、1,773万4千人、総人口比13.9%と、過去最低を記録した前年(2003(平成15)年)の同時期と比べても、さらに17万1千人、0.1%低下している。
また、住民基本台帳に基づく人口調査結果(2005(平成17)年3月31日現在)によると、総人口に占める年少人口の割合は、対前年比0.12ポイント減の13.91%となっている。
<諸外国における年少人口割合>
国名 | 年少人口割合(%) | 国名 | 年少人口割合(%) |
日本 | 13.9 | イギリス | 17.9 |
イタリア | 14.0 | フランス | 18.2 |
スペイン | 14.3 | 韓国 | 18.6 |
ドイツ | 14.3 | アメリカ | 20.8 |
ロシア | 15.3 | 中国 | 21.4 |
ウクライナ | 14.9 | アルゼンチン | 26.4 |
ポーランド | 16.3 | インド | 32.1 |
カナダ | 17.6 | 南アフリカ | 32.6 |
| 資料: | United Nations"World Population Prospects 2004 Revision". ただし日本は総務省統計局「平成16年10月1日現在推計人口」 |
出生順位別にみた出生数
出生順位別にみた出生数を2004年と1975年で比較すると、全出生数に占める第1子 の割合は、1975年の45.4%から2004年に48.4%へと増加している一方、第2子、第3子以降の割合は、それぞれ40.4%から37.6%、14.3%から14.0%へと減少している。
第1子 として生まれる子ども の割合が増加しているということから、全体として子ども を2人以上持つ夫婦 が減少しつつある傾向がうかがえる。
これは、最近の合計特殊出生率の低下原因とされる、1960年以降生まれの妻 を持つ夫婦 の出生数の低下(夫婦 出生力の低下)傾向とも符牒があっている。
合計特殊出生率の変化を、結婚 している人々の割合の変化による部分と、結婚 した夫婦 の出生力の変化による部分に分解してみると、1980年代における合計特殊出生率の低下の要因は、主として結婚 行動の変化、つまり、結婚 していない人(未婚者)の増加によるものであったが、90年代においては結婚 行動の変化以上に、夫婦 の出生行動の変化が出生数を抑制している。
<出生順位別出生数の割合の推移>
※平成17年版 少子化社会白書より抜粋
晩婚化、晩産化の進展
わが国の出生の動向について厚生労働省「人口動態統計」から、その特徴を説明しつつ、出生数の減少や合計特殊出生率の低下を招いている出生動向の変化を指摘してみよう。
日本人の平均初婚年齢は、2004年で、夫が29.6歳、妻が27.8歳と、以前と比べて晩婚化が進んでいる。
1975年には、夫が27.0歳、妻が24.7歳であったので、約30年間に、夫は2.6歳、妻は3.1歳、初婚年齢が遅くなっている。
初婚年齢が遅くなるという晩婚化の傾向は、最近になってさらに速度が速まっている。
たとえば、妻 の平均初婚年齢をみると、1977(昭和52)年には25.0歳であったのが、1992(平成4)年には26.0歳と、1.0歳上昇するのに15年かかったのに対して、2000(平成12)年に27.0歳になるまでには8年間しかかからず、晩婚化の速度が速くなっている。
初婚年齢が遅くなると、母 の平均出生時年齢も遅くなるという晩産化の傾向があらわれる。
2004(平成16)年では、平均出生時年齢は第1子の場合が28.9歳、第2子の場合が30.9歳であり、1975(昭和50)年と比較をすると、それぞれ3.2歳、2.9歳遅くなっている。
高年齢になると出産 を控えることになることから、晩婚化や晩産化が少子化傾向を進行させる要因となる。
母親の年齢階級別にみた出生動向
出生数を母 の年齢(5歳階級)別にみると、従来は25〜29歳の出生数が最も多かったが、2003年からは、30〜34歳が最も多くなっている。
さらに、2004年には、35〜39歳が20〜24歳を上回っている。
2004年の出生数を前年と比べると、29歳以下で3万2,327人減少しているが、30歳以上では1万9,441人増加している。
20代の出生数の落ち込みを30代の出生数の増加で補う形となり、結果的に合計特殊出生率に大きな変化が生じなかった要因となっている。
いわゆる「団塊ジュニア世代」の女性 が30代前半となっており、この世代による出生動向が、合計特殊出生率の動向に大きな影響を及ぼしている。
2004年の出生数を、ほぼ30年前の1975(昭和50)年と比較すると、20代の出生数の落ち込みが大きく、20〜24歳では71.5%の減、25〜29歳では63.5%の減となっている。
一方、30代では大きく増加しており、30〜34歳では29.9%の増、35〜39歳では139.7%の大幅増となっている。
このように1970年代半ば以降、20代の出生数・出生率の低下傾向と30代以降の出生数・出生率の増加傾向が続いている。
1975年には、生まれてきた子ども の約8割(78.6%)は、母親 が20代であったが、2004年では、30代の母親 から生まれてきた子ども が、全体の半数強(51.0%)となっている。
<母の年齢階級別にみた出生数の推移>
| 母の年齢 | 1975 | 1985 | 1995 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 |
昭和50年 | 60 | 平成7年 | 13 | 14 | 15 | 16 | |
| 1) 総数 | 1,901,440 | 1,431,577 | 1,187,064 | 1,170,662 | 1,153,855 | 1,123,610 | 1,110,721 |
| 〜14歳 | 9 | 23 | 37 | 45 | 52 | 49 | 45 |
| 15〜19 | 15,990 | 17,854 | 16,075 | 20,920 | 21,349 | 19,532 | 18,546 |
| 20〜24 | 479,041 | 247,341 | 193,514 | 157,077 | 152,493 | 142,068 | 136,486 |
| 25〜29 | 1,014,624 | 682,885 | 492,714 | 450,013 | 425,817 | 395,975 | 370,220 |
| 30〜34 | 320,060 | 381,466 | 371,773 | 399,808 | 406,482 | 408,585 | 415,903 |
| 35〜39 | 62,663 | 93,501 | 100,053 | 127,336 | 131,040 | 139,489 | 150,222 |
| 40〜44 | 8,727 | 8,224 | 12,472 | 15,047 | 16,200 | 17,478 | 18,790 |
| 45〜49 | 312 | 244 | 414 | 398 | 396 | 402 | 483 |
| 50歳以上 | 7 | 1 | - | 4 | 10 | 19 | 16 |
| 資料: | 厚生労働省「人口動態統計」 |
| 注: | 総数には母の年齢不詳を含む。 |
※平成17年版 少子化社会白書より抜粋
出生数の減少と合計特殊出生率の低下
2004(平成16)年の出生数は、約111万1千人と、前年(2003(平成15)年)よりも1万3千人減少し、過去最低を記録した。
依然として、出生率が低下し、生まれてくる子ども の数が減少する少子化が進行している。
2004年の合計特殊出生率は、戦後初めて1.3を下回った2003年と同率の1.29となった。
しかし、小数点以下第4位まで見ると、2003年は1.2905、2004年には1.2886となっており、さらに低下していることがわかる。
この数値は、過去最低の水準というばかりではなく、欧米諸国と比較をしても低い数値であり、日本社会の少子化傾向をさらに強く印象付けるものとなった。
<出生数及び合計特殊出生率の推移>
※平成17年版 少子化社会白書より抜粋
犯罪被害から子どもを守る取組の推進
「女性 ・子ども を守る施策実施要綱」(平成11年12月)に基づき、子ども が被害者となる事案について、刑罰法令に抵触するものを刑事事件として適切に検挙措置を講ずることはもちろん、被害に遭った子ども への支援などの取組を進めている。
2003(平成15)年には、子ども の略取誘拐事件や所在不明事案が相次いで発生したことから、被害実態を調査し、その結果を踏まえて、防犯指導に当たって重点を置くべき事項を明らかにし、その普及を図るとともに、子ども 向けの防犯教育を推進した。
また、学校への侵入事件が続発し、児童 が負傷する事件が発生したことから、小学校 への不審者侵入事案の調査を行うとともに、防犯訓練の実施をはじめとして、学校施設等の安全管理について学校、教育委員会等との連携を強化している。
中学生に対する体験型交通安全教育推進および教育リーダー育成事業
中学生 に対して自転車利用の体験学習などによる交通安全教育を実施するための交通安全教育指導者を育成することを目的とし、2002(平成14)年度及び2003(平成15)年度の2か年にわたり、中学生 に対する体験型交通安全教育推進および教育リーダー育成事業を実施した。
2003年度は、全国8か所(北海道、宮城県、東京都、埼玉県、愛知県、岡山県、香川県、大分県)に選定したモデル中学校 において、教職員及び保護者 などから選定した「交通安全教育リーダー」が中学生 に自転車の正しい乗り方を指導する体験型交通安全教室を開催するとともに、2か年間の事業の成果を踏まえ、中学生 の自転車利用のための体験型交通安全教室開催マニュアルを作成した。
茨城県ひたちなか市にある自動車安全運転センター安全運転中央研修所の附属交通公園では、幼児 や小・中学校の児童 ・生徒 を対象とし、歩行者や自転車利用者としての適正な交通の方法などについて、参加・体験型の交通安全研修を行い、交通安全意識の啓発を図っている。2003(平成15)年度には、5万5,672人の研修を実施した。
※平成16年版 少子化社会白書(全体版)より抜粋
性に関する健全な意識の涵養
学校 における性教育は、人間尊重の精神を基盤に、発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させるとともに、子ども たちが健全な異性観を持ち、これに基づいた望ましい行動がとれるようにすることを目標としている。
近年、子ども たちを取り巻く家庭環境や社会環境が大きく変化するとともに、子ども たちの生理的、身体的発達が早まっており、性に関する意識や価値観が多様化している。
このような中、人工妊娠中絶や性感染症罹患率の増加が問題となっており、性教育の充実は喫緊の課題である。
子ども たちの性の問題をはじめ、様々な健康問題に対応するため、学校 の要請により、医師や助産師等専門職の派遣を行う等、地域保健と連携し、子ども たちの心身の健康相談や健康教育を行うモデル的な事業を実施しつつ、先駆的・モデル的な事業を実施する自治体への助成等を行うことにより思春期の問題に関する理解の促進を図っている。
また、2001(平成13)年度から毎年、小・中・高校生を対象とした「世界エイズデーポスターコンクール」を実施し、エイズに関する正しい知識の普及啓発を図っているところであるが、2003(平成15)年度からは、小・中・高校生に一般を加えて「ポスターコンクール」を実施している。
さらに、2004(平成16)年度からは、新たに青少年(中・高校生)を対象としたエイズ予防教育を実施している。
「食育」の推進
近年、食生活 を取り巻く社会環境等の変化に伴い、子ども たちに朝食欠食、偏った栄養摂取、肥満傾向の増加などがみられ、増大しつつある生活習慣病と食生活 の関係も指摘されており、子ども たちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけられるよう、家庭 だけでなく、学校 における食に関する指導の充実が必要となってきている。
2003(平成15)年6月から「食を通じた子ども の健全育成(―いわゆる「食育 」の視点から―)のあり方に関する検討会」を開催し、
〔1〕発育・発達過程に応じて、具体的にどのような食べる力を育んでいけばよいのか、
〔2〕食べる力を育むための具体的支援方策の例などを取りまとめ、子ども の食に関する支援ガイドを作成した(2004(平成16)年2月)ところであり、各自治体における地域の実情に応じた食育 の実施の支援を進めている。
学校 においては、学校給食や関連教科、特別活動など学校 教育活動全般を通じて食に関する指導を推進してきており、2004年5月には、小・中学校等における食に関する指導体制の整備を図る観点から、学校 教育法等関係法律を改正し、栄養に関する専門性と教育に関する資質を併せ有する者が学校給食の管理と食に関する指導とを一体的に行い、より効果的な指導を組織的・体系的に実施することができるよう、「栄養教諭」制度が創設された。
このほかにも
〔1〕全国の全ての小学校 1年生・5年生、中学校1年生の児童 生徒を対象とした「食生活学習教材」の配布、
〔2〕地域における食育 を推進するためのモデル事業の展開、
〔3〕学校栄養職員や教員、保護者に、食に関する指導について最新の情報を提供するシンポジウムの開催など、各種事業を継続的に実施し、食に関する指導の充実に努めている。
また、子ども たちに対し、
〔1〕地場農産物を使った学校給食を通じ、地域食材の生産、流通や伝統的な食文化等に対する関心をもたせるための取組や、
〔2〕食に関する様々な知見を有する食育推進ボランティアを育成し、
学校 や地域など様々な場で食べ物の選び方や食の安全などを教える取組等を総合的に展開している。
また、学校 や地方に出向いて子どもたちに「食生活指針」を中心とした食生活の見直し等について説明や実習を行う出張講座を実施している。
若年者の就労支援と試行雇用の推進
フリーターや学卒未就職者等の若年失業者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施する「若年者トライアル雇用事業」を2001(平成13)年12月より実施しており、同事業の積極的活用により、若年者雇用を推進している。
フリーターの職業意識を高め、適職選択やキャリア形成を促すため、全国の都市部にヤングジョブスポットを設置し、若年者同士の情報交換、職場見学等のグループ活動等への支援を行っており、2003(平成15)年度末時点で、全国に16か所設置している。
また、フリーターが早期に安定した就労に移行するため、カウンセリング等の手法を用いて職業意識の啓発、職業適性の把握を行うとともに、職業能力開発大学校のほか専修学校等民間教育訓練機関を活用した職業訓練の実施、事業主等への委託による企業実習を一体的に実施した(2004(平成16)年度から、日本版デュアルシステムとして実施)。
(2)若年者のためのワンストップサービスセンター(通称Job Cafe)の整備
2003(平成15)年6月に策定された「若者自立・挑戦プラン」に基づく主な施策の1つとして、地方公共団体と産業界、学校等の連携の下、若者に一貫した雇用関連サービスを提供する「若年者のためのワンストップサービスセンター(通称:ジョブカフェ)」を都道府県の主体的取組により整備している。
2004(平成16)年度は、全国43都道府県で開設され、そのうち15道府県をモデル地域として、民間を積極的に活用し、カウンセリングから研修等までの一貫した雇用関連サービスをきめ細かく提供し、地域の実情に合った若者の能力向上及び就業促進を支援している。
(3)若年労働市場の整備
企業の求める人材ニーズを把握し、IT、技術経営(MOT)、事業再生等の専門分野における能力評価基準の策定や、それに対応したカリキュラム・教材の開発、実証研修等を実施することにより、雇用のミスマッチの解消など、若年労働市場の整備を図っている。
また、2004(平成16)年度から、YES−プログラムとして、企業が実際に必要としている就職基礎能力及びそれらを身に付けるための講座や試験を示すとともに、講座を修了又は試験に合格した若年者に対し、希望に応じて証明書を発行している。
(4)創業、起業による就業機会の創出
「起ちあがれニッポンDREAM GATE」プロジェクト(起業家輩出支援事業)は、国民各層に対する起業・独立意識を喚起し、「挑戦者」の裾野を拡大するため、webサイト等を通じた新たな起業支援サービスの提供や、インターンシップ事業等を内容として2003(平成15)年7月から本格的なサービス提供を開始し、2004(平成16)年8月までに23万人を超えるユーザー登録が行われ、5千件を超える起業相談も行われている。
また、大学生等を中心としたインターンシップ(「起業家のかばん持ち」)では、参加学生が実際に起業する、インターンシップ先ベンチャー企業が学生のビジネスプランを事業化するなどの成果が現れている。
若年者に対する職業体験機会の提供や職業訓練の推進
(1)初等中等教育段階における職業体験機会の提供
近年、産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化等を背景として、就職 ・進学を問わず児童 生徒の進路をめぐる環境は大きく変化している。
こうした中、児童 生徒が「生きる力」を身に付け、社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろう様々な課題に柔軟にかつ、たくましく対応し、社会人・職業人として自立していくことができるようにするキャリア教育が強く求められている。
キャリア教育は「働く こと」への関心・意欲の高揚や学習意欲の向上などに結びつくことから、小学校 段階から、児童 生徒の発達段階に応じて、組織的・系統的なキャリア教育を推進することが必要である。
「若者自立・挑戦プラン」において、キャリア教育が大きな柱として位置づけられたことや2004(平成16)年1月の「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」などを踏まえ、政府では、2004年度から、小・中・高で一貫したキャリア教育の指導内容・方法等についての実践研究や地域ぐるみで職業体験やインターンシップ(就業体験)などを行う「キャリア教育推進地域事業」の実施などを通じ、児童 生徒の勤労観、職業 観を育成するキャリア教育の推進に努めている。
また、企業人等働く 者を講師として学校 に派遣 し、職業 や産業の実態、働く ことの意義、職業 生活等に関して生徒に理解させ自ら考えさせる「キャリア探索プログラム」や就職活動に必要な知識や基本的な実務能力を付与するための就職 ガイダンスや高校の進路指導担当者を対象としたセミナー等を実施している。
職場見学、職場体験、インターンシップ(就業体験)等の活動の支援を行うとともに、その活動を取りまとめ、同世代の中高生にその情報を発信していく「中高生に対する仕事ふれあい活動支援事業」を2003(平成15)年度から16地域においてモデル的に実施しており、2004年度は対象地域を拡大し、32地域において実施する。
(2)大学、大学院、専修学校等における職業体験機会の提供や職業訓練の推進
大学等の高等教育機関においても、社会の様々な分野で活躍することのできる人材を養成することは、重要な役割として期待されている。このため、各大学等においても、学生の職業観の涵養のため、インターンシップの導入に取り組んでいる。
政府では、インターンシップを推進する観点から、インターンシップ推進全国フォーラムの開催、インターンシップを実施する大学等に対する財政的支援など、各種の施策を実施している。
これらの取組を受けてインターンシップの実施率は年々上昇しており、授業科目として実施したインターンシップは、2002(平成14)年度には全大学の46.3%に上り、約30,000人の大学生がインターンシップを体験した。
また、若者の能力向上・就業選択肢の拡大に資するため、「キャリア高度化プラン」を推進している。
このプランは、大学などの高等教育機関において、社会経済の高度化・複雑化に対応し、社会を牽引できるような高度な専門能力などを持つ人材を養成する構想となっている。
具体的には、「特色ある大学教育改革の支援」、「法科大学院等専門職大学院の形成支援」などがあり、今後もこれらの取組を充実・発展させていく予定である。
さらに、若年者向けの実践的な教育・職業能力開発の仕組みとして、新たに、企業実習と教育・職業訓練の組合せ実施により若者を一人前の職業人に育てる「実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)」を推進している。
若者の安定就労や自立した生活の促進
2003(平成15)年6月、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、経済財政政策担当大臣の4大臣で構成される若者自立・挑戦戦略会議は「若者自立・挑戦プラン」を取りまとめ、今後3年間で若年失業者などの増加傾向を転換させるための施策に各府省が連携して取り組んでいくこととした。
しかしながら、その後も若年者の雇用をめぐる環境は依然として厳しいことから、政府は、2004(平成16)年6月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」において、「若者自立・挑戦プラン」を更に強化し、その具体策をアクションプランとして2004年中に取りまとめることとした。
これを踏まえて、上記の4大臣に新たに内閣官房長官が加わり、同月、「若者自立・挑戦プランの強化の基本的方向」を取りまとめ、平成17年度概算要求において具体策を盛り込むなど、各府省連携した取組をより一層強化していくこととしている。
子どもを生み育てることの意義等に関する教育・啓発
将来の親となる世代が子ども や家庭について考え、子ども とともに育つ機会を提供するとともに、国民一人一人が家庭 や子育て の意義について理解を深められるようにするため、教育分野において、次の取組を実施している。
(1)学校 における取組
学校教育 においては、子ども たちに乳幼児との触れ合いの機会をできるだけ多く提供するとともに、将来親となった際に必要となる子育て の基本的な知識・技能・態度等を習得することが重要である。
また、少子化とそれがもたらす社会への影響、子育て や男女が共同して家庭 を築くことの大切さなどについても理解を深めることが重要である。
このため、小学校 、中学校 、高等学校の各学校段階で、関係教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間において相互の連携を図りながら子育て への理解を深める教育が実施されている。
2004(平成16)年5月には、このような指導を行う際の基本的な考え方や指導体制の先進的な事例を紹介した「子育て 理解教育指導資料」を発行した。
また、各都道府県教育委員会や学校の創意工夫により、地域人材の参加・協力や体験活動を生かした実践研究である「児童 生徒の心に響く道徳教育推進事業」を実施しており、生命を大切にする心や思いやりの心、協力し合う態度を育成する道徳教育の一層の推進を図っている。
(2)家庭 や地域における取組
家庭 や地域における取組としては、「夫婦で共同した子育て をする」ことなどについて盛り込んだ、子育て のヒント集としての家庭 教育手帳等を作成し、乳幼児 及び小・中学生を持つ親に配布している。
また、2003(平成15)年度においては、子育て 中の父親の役割等について学習する集いの開催など、父親の家庭 教育への参加を促進する取組を支援した。
さらに、2004(平成16)年度においては、将来親となる中・高校生を対象とした子育て 理解講座を開設しており、若いうちから家庭 教育についての理解を深める取組を推進している。
このほか、家庭 教育に関するフォーラムを開催し、直接子育て に関わっていない大人等も含めて、国民一人一人が家庭 教育支援の重要性について認識するなど、家庭教育への支援についてあらためて全国的に考え、行動する機運を高める予定である。
あわせて、独立行政法人国立女性教育会館においては、各地の子育て 支援団体と行政等との連携を図るための「子育て ネットワーク研究交流協議会」を開催している。また、子育て 支援団体や教育委員会の関連事業等のデータベースを作成し、同会館のホームページで公開している。
※平成16年版 少子化社会白書より抜粋
豊かな人間性を育むための奉仕活動・体験活動の推進
近年、少子化の進展、家庭や地域社会の教育力の低下などの様々な問題が指摘される中、特に、子ども たちの精神的な自立の後れや社会性の不足が顕著になっている。
このことから、次世代を担う子ども たちが、規範意識や社会性、他人を思いやる心などを身に付け、豊かな人間性を育むよう、発達段階などに応じた様々な奉仕活動・体験活動の機会を充実させることが求められている。
このため、2001(平成13)年7月には、学校教育法(昭和22年法律第26号)と社会教育法(昭和24年法律第207号)を改正し、総合的にボランティア活動など社会奉仕体験活動をはじめとする体験活動の充実を図ることが明確化された。これとともに、地域や学校等において、子どもたちが様々な体験活動を行う機会を拡大するために次のような取組を実施している。
(1)地域や学校における奉仕活動・体験活動の推進
ア 地域と学校が連携協力した奉仕活動・体験活動の推進
子ども たちのボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動などの体験活動の推進を図るため、2002(平成14)年度から「地域と学校が連携協力した奉仕活動・体験活動推進事業」を実施している。
国、都道府県、市町村に幅広い関係機関・団体と連携を図る協議会や、地域の奉仕活動・体験活動に関する情報提供や地域の実情に応じた魅力ある参加プログラム等のコーディネートなどを行う支援センターを設置し、学校と地域社会を通じた奉仕活動・体験活動の推進体制の整備を進めている。
また、2003(平成15)年3月には、奉仕活動・体験活動に対する社会的気運の醸成を図るため、「奉仕活動・体験活動推進全国フォーラム」を開催したほか、2003年度は、地域の実情に即した取組を促進するためのモデル事業を行った。
イ 地域における体験活動等の推進
心豊かでたくましい子ども を地域全体で育むために、2004(平成16)年度から「地域子ども 教室推進事業」を実施し、学校等を活用して緊急かつ計画的(3か年計画)に子ども たちの居場所(活動拠点)を整備し、地域の大人の教育力を結集して、安全管理員・活動アドバイザーを配置し、子ども たちの放課後・週末におけるスポーツや文化活動などの様々な体験活動等を支援している。
このほか、2001(平成13)年度から屋内に引きこもりがちになるなど悩みを抱える青少年に対し体験活動に取り組む機会を提供する事業を実施し、2002(平成14)年度からは、青少年の社会性や豊かな人間性を育むため、関係省庁と連携・協力し、地域の身近な環境をテーマに体験活動を行う事業を実施するとともに、地方公共団体が自然体験推進団体の協力を得ながら実施する2週間程度の長期にわたる自然体験活動に対する助成を行っている。
また、2004(平成16)年度においては、問題を抱える青少年の立ち直りの支援策として、地域の民間団体等と連携・協力し、体験活動などを行うことができる継続的活動の場(居場所)を構築する事業を実施している。
ウ 学校における奉仕活動・体験活動の推進
小・中・高等学校等においては、2002(平成14)年度から「豊かな体験活動推進事業」を実施し、他校のモデルとなる体験活動を行うとともに、その先駆的な取組を広く全国の学校に普及させ、全国の小・中・高等学校等での体験活動の展開を推進している。
(2)文化活動を中心とした体験活動の推進
子ども たちが文化活動に参加したり、優れた芸術文化や歴史的な文化の所産に触れることにより、豊かな感受性と多様な個性を育むよう、次の施策を実施している。
ア 本物の舞台芸術に触れる機会の確保
感受性豊かな子どもの育成を図るため、学校や公立文化会館などにおいて優秀な舞台芸術や伝統芸能に直に触れる機会を提供している。2003(平成15)年度は520公演を実施し、2004(平成16)年度は516公演を実施する予定である。
イ 学校の文化活動の推進
子ども たちに芸術への関心を高めてもらうことを目的に、非常に優れた活動を行っている芸術家や伝統芸能の保持者等を出身地域の学校に派遣し、自らの技を披露してもらうとともに、文化活動のすばらしさや地域の誇りなどを語ってもらうなどの取組を推進している。
ウ 文化体験プログラム支援事業
子どもたちの豊かな人間性と多様な個性を育むことを目的として、子どもたちが日常の生活圏の中で、年間を通じて地域の特色ある様々な文化に触れ、体験できるプログラムを作成し、実施している。
エ 「文化芸術による創造のまち」支援事業
全国の文化水準の向上のため、地域における文化芸術活動の環境の醸成と人材の育成及び次代を担う子どもたちが参加する文化活動の活性化を図っている。
オ 伝統文化こども 教室
次世代を担う子ども たちに対し、土・日曜日などにおいて学校、文化施設等を拠点とし、茶道、華道、日本舞踊、伝統音楽、郷土芸能等の伝統文化に関する活動を、計画的、継続的に体験・修得できる機会を提供している。
(3)自然とのふれあいの場や情報提供等
2003(平成15)年7月に、環境教育・環境学習の推進、環境保全活動に取り組む意欲を高めていくために、自然体験等の機会、情報の提供、環境の保全を行う人材の育成、人材認定等事業の登録制度等の措置が盛り込まれた、「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(平成15年法律第130号)が成立し、2004(平成16)年9月には、同法に基づく、「環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針」(平成16年文部科学省・環境省告示第1号)を策定した。
優れた自然の風景地である国立公園等において、子ども たちに自然や環境の大切さを学んでもらえるよう、自然保護官(レンジャー)やパークボランティアの指導・協力のもと、マナーの普及、自然環境の復元維持活動等を行う機会を提供する、「子ども パークレンジャー事業」を実施している。
また、各国立公園における自然観察会の開催や、新宿御苑、自然観察の森をフィールドとした自然学習の促進のために「ティーチャーズガイド」を作成するなど、自然体験活動プログラムの提供を行うとともに、「インターネット自然研究所」などのウェブサイトにより、様々な自然とのふれあいの場やイベント等に関する情報を幅広く提供している。
さらに、小中学生の地域における環境活動を支援するため、子どもたちが地域において自主的に自然観察や水質調査といった環境学習やリサイクル活動などの環境保全活動に参加する機会を提供する、「こどもエコクラブ事業」を地方公共団体、企業等と連携して実施している。
(4)農業・農村体験
子ども たちが農業・農村に親しみを感じる機会を充実するため、全国的な体験学習の推進体制づくり、モデル地区の設置のほか、身近な水辺環境の活用や修学旅行等を通じた学校内外における農業・農村体験学習を推進している。
また、各地域で森林での学習活動やボランティア活動を行っている「緑の少年団」の取組や親子や子ども たちによる森林ボランティア活動などに対し支援を行っている。
入門的な森林体験活動等を行う機会を提供するため、学習体験の場となる森林や指導者の募集・登録、森の子くらぶ受入体制の整備及び国有林野の提供、森林環境教育活動推進のための支援体制の整備に対する助成を行っている。
学校内外活動の一環として実施される、体験漁業、自然環境等の体験活動は、海や水産業、漁村に関する子どもたちの 理解を深めるうえでの、重要なものであり、学習活動の推進や普及活動への支援と体験活動の場の整備を行うとともに、体験活動促進のための漁村の受入体制の整備や都市漁村交流の啓発普及活動等の支援を実施している。
(5)長期の自然体験・都市と農山漁村との交流体験
青少年の長期自然体験の一層の普及・定着を図るため、地方公共団体が自然体験活動推進団体の協力を得ながら、青少年対策として野外活動施設や農家などで、2週間程度の長期間、異なる年齢集団の編成により共同生活を通じた野外活動等の自然体験活動に取り組ませる事業に対して、助成を行っている。
さらに、高校生が一定期間山村に滞在して取り組む下刈り、除伐等の森林整備・保全活動の機会の提供を推進している。
子ども の身近な遊び場とし









