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「食育」の推進
近年、食生活を取り巻く社会環境等の変化に伴い、子どもたちに朝食欠食、偏った栄養摂取などの食生活の乱れや肥満傾向の増加などが見られ、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけられるよう、子どもたちに対して食育を推進することが必要となっている。
2004(平成16)年2月に「食を通じた子どもの健全育成(―いわゆる「食育」の視点からー)のあり方に関する検討会」報告書として、
〔1〕発育・発達過程に応じて、具体的にどのような食べる力を育んでいけばよいのか、
〔2〕食べる力を育むための具体的支援方策の例などを盛り込んだ子どもの食に関する支援ガイドを作成したところであり、各自治体における地域の実情に応じた食育の実施の支援を進めている。
さらに、食を通じた妊産婦の健康支援方策については、「健やか親子21」推進検討会において、2005(平成17)年4月から検討を行っているところである。
学校における食育については、学校給食や関連教科、特別活動など学校教育活動全般を通じて食に関する指導を推進してきており、2004年5月には、小・中学校等における食に関する指導体制の整備を図る観点から、学校教育法等関係法律を改正し、栄養に関する専門性と教育に関する資質を併せ有する者が学校給食の管理と食に関する指導とを一体的に担い、学校全体としてより効果的な指導を組織的・体系的に実施することができるよう、「栄養教諭」制度が創設され、2005年4月から開始された。現在、北海道(11名)、福井県(10名)、高知県(5名)、国立大学法人長崎大学附属小学校(1名)に栄養教諭が配置されている。
このほかにも
〔1〕全国のすべての小学校1年生・5年生、中学校1年生の児童生徒を対象とした「食生活学習教材」の配布、
〔2〕地域における食育を推進するためのモデル事業の展開、
〔3〕栄養教諭、学校栄養職員、教員、保護者に、食に関する指導について最新の情報を提供するシンポジウムの開催など、各種事業を継続的に実施し、食に関する指導の充実に努めている。
また、
〔1〕「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるために、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかをわかりやすく示した「食事バランスガイド」(平成17年 厚生労働省、農林水産省決定)の普及・活用を促進するなど全国的な情報提供に取り組むとともに、
〔2〕食に関する知見を有する方々から構成される「食育推進ボランティア」を中心とする食に関する体験活動や、事例集の配布などによる学校給食への地場産物の活用の促進など、地域の特性を活かした取組を支援している。
このような中、2005(平成17)年6月に成立、同年7月から施行された食育基本法において、子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく基礎となるものとして、積極的にこれを推進することが求められている。
今後、食育を国民運動として推進していくために、食育基本法に基づく食育推進会議において2006(平成18)年3月末を目途に食育推進基本計画を作成し、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進することとなる。
小児医療体制を充実する
小児救急医療については、少子化が進行する中で、今後の我が国の社会を担う若い生命を守り育てるため、保護者の育児面における安心の確保を図るという観点から、その体制の整備が急務となっている。
小児救急医療体制の整備については、一般の救急医療の場合と同様に、初期(主として外来医療「かかりつけ医」)、二次(入院が必要な重症患者に対応)、三次(救命救急センター)の体系に沿い、地域ごとの実情に応じた機能分化と連携に配慮した体制の整備を図るとの方針の下、二次医療圏単位で当番制により小児救急対応が可能な病院を確保する「小児救急医療支援事業」の実施や、二次医療圏単位での体制の構築が困難な地域において、複数の二次医療圏ごとに小児救急患者を受け入れる「小児救急医療拠点病院」を整備するなど、全国的な体制の整備に取り組んでいる。
また、小児の急病も含む地域の医療については、保護者の大病院指向や「ぜひ、小児科を専門とする先生に診てほしい」とする専門医指向の強まり等により、多数の軽症者を含む小児患者が夜間、病院へ集中し、これに伴い病院勤務の小児科医への負担が増大するなど、様々な問題が生じている。
しかしながら、政府としては、まずは地域に密着した第一線の機関であるかかりつけ医によって包括的な対応が図られることが適当であるという観点から、
〔1〕全国共通番号(#8000)で保護者が夜間等に安心して小児救急医療に関する相談ができる窓口を設ける「小児救急電話相談事業」の創設や、
〔2〕地域の内科医等が積極的に小児救急医療に従事できるよう小児救急に関する研修を行う「小児救急地域医師研修事業」の実施、
〔3〕小児科医以外の医師がITを活用して小児救急患者の病理画像等を小児科専門医の所在する医療機関に伝送し、診療支援を受ける遠隔医療システムの導入の支援、
〔4〕小児科医と小児科医以外の医師が共同作成した小児初期救急診療ガイドブックを小児科医以外の医師に対して普及させるなど、地域の小児救急医療体制の整備を推進している。
また、2002(平成14)年度から2004(平成16)年度にかけて、厚生労働科学研究において、小児科医・産科医の確保・育成に関する研究が行われたところであり、この成果をも踏まえ、小児医療・周産期医療の効率的な実施のための具体的な施策について検討を進めているところである。
さらに、小児医療についての診療報酬上の措置については、2004年度の診療報酬改定において、小児入院医療管理料の算定要件の緩和、新生児入院医療管理加算の引き上げ、小児科を標榜する医療機関における時間外加算の見直し、地域連携小児夜間・休日診療料の要件の緩和等、小児医療に配慮した見直しが行われた。
行政サービスの一元化を推進する
地方公共団体においては、子ども関連施策を担当する部署の横断的連携や、窓口や情報の一本化を図るなど、行政サービスの一元化について先進的に取組が行われている例が見られる。
(事例1.長野県庁「こども支援課」の設置)
長野県は、2004(平成16)年5月の組織改正で、教育委員会に「こども支援課」を設置した。
従来、知事部局で行っていた保育や子育て支援に関する施策と、教育委員会で行っていた幼児教育や家庭教育に関する施策を「こども支援課」で一括して担当することとし、子どもに関する施策の一元化を図った。
このことにより、幼保一元化に関する対応窓口が一本化されるとともに、就学前の子どもの育ちに関して在宅児、幼稚園児、保育園児の区別なく一つの課で総合的に検討することが可能となった。
2005(平成17)年3月には、幼稚園・保育園・家庭における幼児教育の指針として「0歳からの信州子育ちのために」を取りまとめた。
また、次世代育成支援の推進に当たっても、子育ち・子育て双方の施策を担当する「こども支援課」が中心となって取り組んでいる。
2005年度には、中小企業と子育てNPO等との連携を促進するための「次世代育成支援連携推進事業」を新たに実施している。
さらに、2005年5月には、こども支援課内に「こどもの権利支援センター」を設置し、いじめや体罰等に関する相談を受け付け、子どもの権利を保護する観点から、子どもや保護者とともに問題解決に取り組んでいる。
(事例2.横須賀市役所「子ども育成部」の設置)
横須賀市は、次世代育成支援の推進と子どもに関連した総合的な施策展開を図っていくため、2005(平成17)年度から「こども育成部」を新設した。
こども育成部は子育て支援課、保育課、こども健康課、青少年課、児童相談所開設準備室の4課1室体制。
子育て支援課では、児童手当や母子家庭自立支援、子ども虐待予防事業、学童クラブ助成のほか、これまで教育委員会が所掌していたわいわいスクールや私立幼稚園に関する事務を行っている。
また、青少年課を市民部から移管し、保育施策を所掌する保育課、母子保健を所掌するこども健康課、児童相談所開設準備室を新設した。
2006(平成18)年度には中核市としてはじめて児童相談所を開設するとともに、2008(平成20)年には(仮称)こどもセンターを設置し、その中にこども育成部事務室と児童相談所のほか、(仮称)療育相談センターを配置する。




