2009-01

地域における子育て支援サービスの推進

次世代育成支援対策推進法に基づき、すべての市町村及び都道府県においては、2004(平成16)年度末までに、国が定める指針(行動計画策定指針)に即して、「地域の子育て 機能の再生」等のための具体的な取組方策を掲げた行動計画を策定することになっており、地域の実情に応じて、次世代育成支援に関する総合的かつ具体的な取組を盛り込むことが求められている。

また、次世代育成支援対策推進法と併せて成立した改正児童福祉法(平成15年法律第121号)においては、子育て 支援事業(居宅における支援、短期預かり支援、相談・交流支援)が法定化されるとともに、市町村はその実施の責務を有することになった。

今後、市町村において子育て 支援事業の充実・強化が図られるとともに、市町村及び都道府県行動計画に位置づけられることにより、真に実効性のある取組が進められることが重要である。


また、地域により少子化の状況は様々であり、政府は、地方公共団体が、子育て 支援の一層の推進に向けて、育児 相談事業、子育て 支援施策の実施計画策定経費等、地域の実情に応じた様々な取組を総合的に実施できるよう、財政措置を講じた(約1,300億円(平成15年度地方財政措置))。



(1)一時預かりサービス(一時保育 )の推進
就労形態の多様化に対応する一時的な保育 や、専業主婦家庭 等の緊急時の保育 等に対する需要に対応するため、一時保育 促進事業を1990(平成2)年度から実施している(2003(平成15)年度実施箇所数 4,959か所(2004(平成16)年度新エンゼルプラン目標値 3,000か所))。

(2)地域子育て 支援センターの設置促進
1993(平成5)年度から地域の子育て 家庭に対する育児 支援を行うため、保育所 において地域の子育て 家庭等に対する育児 不安についての相談指導、子育て サークル等への支援を行う地域子育て支援センター事業を実施しており、これまでその設置箇所数を増加させ拡充を図ってきた。


地域子育て 支援センターでは、次の5事業から地域の実情に応じた3事業(小規模型では2事業)を選択して実施することとなっている。


 〔1〕 育児 不安等についての相談指導
 〔2〕 地域の子育て サークル等への育成・支援
 〔3〕 乳児保育 や特別保育事業の積極的実施・普及促進の努力
 〔4〕 ベビーシッターなど地域の保育 資源の情報提供等
 〔5〕 家庭的保育 を行う者への支援


<地域子育て 支援センターの設置箇所数の推移>

年度
1999
(平成11)
2000
(12)
2001
(13)
2002
(14)
2003
(15)
箇所数9971,3761,7912,1682,499
 うち従来型6688441,0151,1981,362
 うち小規模型3095327769701,137


(3)つどいの広場の設置促進
少子化、核家族化等を背景として、子育て 中の親等からは、「身近なところでいつでも気軽に親子で集える場所」が求められている。
このため、2002(平成14)年度から、概ね3歳未満の乳幼児とその親が気軽に集まり、相談、情報交換、交流ができる「つどいの広場」事業を実施している。「つどいの広場」については、NPOをはじめとする多様な主体により、余裕教室等公共施設の余裕空間や商店街の空き店舗などを活用しつつ、身近な場所での設置を推進する。
2004(平成16)年度においては、85か所から500か所への大幅増などの支援の充実を図っており、地域における子育て 支援の中核をなすものとして、今後、更なる展開が期待されている。

(4)幼稚園 における子育て 支援活動
近年、幼稚園 は、地域の幼児教育のセンターとして、子育て 支援機能を持ち、いわば「親と子の育ちの場」という役割を果たすことが期待されるようになってきている。
このため、幼稚園 における相談活動や未就園児の親子登園、園庭・園舎の開放、通常の教育時間の前後などに行う「預かり保育 」(全国の約7割の幼稚園 で実施)などの子育て 支援を推進しており、2003(平成15)年度には、子育て 支援の取組をしている幼稚園 は全体の約77%に上っている。

(5)シルバー人材センターによる子育て 支援サービス
2003(平成15)年度から、高齢者の就労機会・社会参加の場を提供するシルバー人材センターにおいて、乳幼児の世話や保育 施設との送迎などの育児 支援、就学児童 に対する放課後・土日における学習・生活指導等の支援を行う高年齢者活用子育て 支援事業を実施しており、経験豊かな高齢者が地域における子育て の担い手として活用されている。

(6)商店街の空き店舗を活用した取組
かつて地域経済の中心であった商店街は、近年、空き店舗の増加等により、その魅力は低下している。
商店街の活性化は、地域経済の活性化、地域社会の形成にとって重要な要素となっており、商店街における空き店舗の解消・活用は、商店街における大きな課題となっている。

一方、本格的な少子・高齢社会の到来、女性の社会進出など社会環境が大きく変化し、働く女性 が利用しやすい場所での子育て 支援サービスの提供が緊急の課題となっている。

このため、商店街の空き店舗を活用して、地域社会において子育て支援や高齢者向けの交流拠点等の機能を担うコミュニティ施設を設置することにより、空き店舗の解消と少子・高齢社会への対応を図り、商店街に賑わいを創出することで商店街の活性化を図るための施策を講じた。

具体的には、商店街振興組合、商工会、商工会議所、社会福祉法人、特定非営利活動法人等が、商店街の活性化を図るために商店街の空き店舗を活用して保育サービス 施設や親子・高齢者交流施設などのコミュニティ施設を設置・運営しようという自主的な取組を地方公共団体が支援する場合に、国が施設の設置・運営に要する経費の一部を補助した。

(7)市民活動活性化モデル事業
子育て 、まちづくりなどの分野で、女性 や高齢者が中心となって行う市民活動の事業化を初期段階で支援するとともに、その成果を全国に普及する事業(2002(平成14)年度から2004(平成16)年度)を行っている。これにより、少子・高齢社会の進展の中で女性 や高齢者の社会参加、労働参加を円滑化している。

具体的には、
〔1〕子育て の経験が豊富な女性 等が、働く女性子育て 支援を目的に、子育て 相談や子ども 向け講座などのサービスを提供する。
〔2〕同じく子育て の経験が豊富な女性 等が、地域の農家や商店街と連携し、ユニークな教育プログラムを作成、提供する。
などの事業を支援してきた。
こうした支援により、女性女性 の社会進出を支援し、新たな社会参加を誘発する好循環を創出する。

神奈川県川崎市の事例

川崎市にあるモトスミ・オズ通り商店街では、2003(平成15)年度に商店街の空き店舗を活用して、地域住民を対象とした親子 交流施設を設置、保育 士による託児サービス を行っている。
また、大学生ボランティアと連携した子ども の遊び場・学びの場を設置しており、これにより、商店街が地域に密着した子育て 支援サービスを提供することが可能となり、新たな来街者層の開拓に寄与するとともに、大学生との連携事業では、核家族化で途絶えがちになっている世代間交流の促進が図られている。
このほか、特色のある取組としては、ボランティア・サークルの活動報告会などのイベントも実施し、商店街を地域のボランティア活動の拠点として位置づけ、多様な層の地域住民の来街を促すことにより地域の活性化と商店街の活性化を図る事業を展開している。

愛知県名古屋市の事例

名古屋市にある柳原通商店街では、2003(平成15)年度に特定非営利活動法人(子育て 支援のNPOまめっこ)が商店街の空き店舗を活用して子育て 支援施設を開設し、親子 のための広場として地域で孤立しがちな子育て 中の親子 同士の交流を図るとともに、子育て 相談や保健師との交流会、子ども の体重測定会などのイベントを催すなど、商店街や地域住民との交流の中で子育て 支援活動に取り組んでいる。
商店街としても当施設の開設を機に、商店街の賑わいを作り地域の子ども たちを一緒に育てていくため、フリーマーケットや夏祭りなどのイベントを協働して実施するなど連携を図っている。
高齢化している商店街に、これまであまり縁のなかった子連れの若い主婦 層が来街することで、商店街関係者に子育て を考える機会を与え、地域ぐるみの子育て の土壌を育んでいる。

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