地域における小児医療等の充実
(1)小児医療体制の充実
小児救急医療 については、少子化が進行する中で、今後のわが国の社会を担う若い生命を守り育てるため、保護者の育児面における安心の確保を図るという観点から、その体制の整備が急務となっている。
小児救急医療 体制の整備については、一般の救急医療の場合と同様に、初期(主として外来医療「かかりつけ医」)、二次(入院が必要な重症患者に対応)、三次(救命救急センター)の体系に沿い、地域ごとの実情に応じた機能分化と連携に配慮した体制の整備を図るとの方針の下、二次医療圏単位で当番制により小児救急対応が可能な病院を確保する「小児救急医療 支援事業」の実施や、二次医療圏単位での体制の構築が困難な地域において、複数の二次医療圏ごとに小児救急患者を受け入れる「小児救急医療 拠点病院」を整備するなど、全国的な体制の整備に取り組んでいる。
また、小児の急病も含む地域の医療については、保護者の大病院指向により、多数の軽症者を含む小児患者が夜間、病院へ集中し、これに伴い病院勤務の小児科医への負担が増大するなど、様々な問題が生じている。
しかしながら、政府としては、まずは地域に密着した第一線の機関であるかかりつけ医によって包括的な対応が図られることが適当であるという観点から、
〔1〕 全国共通番号(#8000)で保護者が夜間等に安心して小児救急医療 に関する相談ができる窓口を設ける「小児救急電話相談事業」の創設
〔2〕 地域の内科医等が積極的に小児救急医療 に従事できるよう小児救急に関する研修を行う「小児救急地域医師研修事業」の実施
〔3〕 小児科医以外の医師がITを活用して小児救急患者の病理画像等を小児科専門医の所在する医療機関に伝送し、診療支援を受ける遠隔医療システムの導入の支援
〔4〕 小児科医と小児科医以外の医師が共同作成した小児初期救急診療ガイドブックを小児科医以外の医師に対して普及させる
など、地域の小児救急医療体制の整備を推進している。
また、小児救急に携わる医師の過重な労働が指摘されていることを踏まえ、2002(平成14)年度から、厚生労働科学研究において、小児科医師の勤務状況の改善、小児救急における地域小児科の連携体制のあり方等、小児科医の確保・育成に関する研究が行われている。
さらに、小児医療についての診療報酬上の措置については、2004(平成16)年度の診療報酬改定において、小児入院医療管理料の算定要件の緩和、新生児入院医療管理加算の引き上げ、小児科を標榜する医療機関における時間外加算の見直し、地域連携小児夜間・休日診療料の要件の緩和等、小児医療に配慮した見直しが行われた。
(2)周産期医療体制の充実
リスクの高い妊産婦や新生児に適切な医療を提供するための、一般の産科病院等と高次の医療機関との連携体制である周産期医療ネットワークの整備を行っている。
国が担うべき政策医療の1つである成育医療分野では、国立成育医療センターを中心とした「成育医療政策医療ネットワーク」を構築し、独立行政法人国立病院機構のネットワーク構成施設と連携して、医療の質の向上のための研究の推進や標準的医療等の普及に取り組んでいる。
特に、国立成育医療センターでは、生殖、妊娠、胎児期、周産期、新生児期、小児期、思春期、成人期に至る一連のサイクルに関わる全ての身体的、精神的疾患を対象とした高度先駆的医療、医療従事者への教育研修、治療に直結した臨床研究及び全国の医療機関等へ医療情報の発信に取り組んでいる。
小児慢性特定疾患の治療研究事業を行い、もってその研究を推進し、その医療の確立と普及を図り、併せて患者家庭の医療費の負担軽減にも資することを目的とし、小児慢性特定疾患治療研究事業を実施しているところであるが、本事業の給付内容の改善と重点化等を図るため、児童福祉法改正法案を第159回通常国会に提出した(継続審議)。
今回の見直しは、給付内容の改善・重点化として、
〔1〕 対象疾患等の見直し(10疾患群→11疾患群)
〔2〕 通院対象者(重症者)の追加
〔3〕 軽症患者の除外及び重症患者への重点化
〔4〕 対象年齢の整理(18歳未満→20歳未満)
等を行うとともに、低所得者層に配慮しつつ、他の公費負担医療との均衡から、無理のない範囲の患者負担を求めることとするものである。
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